eラーニング・プログラム第9回

 

音色(その1)

 

音の3要素の3つ目は「音色」です。「おんしょく」と音読みしても良いし、「ねいろ」と訓読みしても構いません。

自然界のどんな音にも、どんな楽器の音にも「音色」があります。

そして我々は、「音色」とそれを発する音源の「名前」、「見た目」、「触感」などをセットにして記憶しています。

だから、我々は、何かの音色を聞くと「あ、これはアップライトピアノの音だ」「これは大型バイクのエンジン音だ」

「これは小型犬の鳴き声だ」というように、その音源が何であるかを認識することができるのです。

また、逆に、音を発する物体、動物などの姿を見たり、名前を聞いたりすれば、

その音源から発せられる音がどんな音色をしているかをイメージできるのです。

ところで、この音色の正体は、一体、どんなものなのでしょうか。

音は、「基音(きおん)」と「倍音」の組み合わせでできています。

例えば、オーケストラのチューニングで使うオーボエで弾いたラ(A)の音と、

ピアノの同じラ(A)の音を、それぞれ周波数分析機器(=スペクトルアナライザー)という機械で分析したとしましょう。

すると、オーボエでもピアノでも、当然ながら同じ440Hzのところに音が検出されます。この音を「基音」と呼びます。

また同時に、基音(この場合440Hz)の整数倍の周波数、つまり、

880Hz, 1320Hz, 1760Hz..などにも、音の存在が検出されます。

この、基音の整数倍の周波数に出現する音を「倍音」と呼ぶのです。

オーボエのラ(A)の音と、ピアノのラ(A)の音では、基音の周波数は同じです。

ところが、それぞれの楽器で、倍音成分のバランスは全く異なるのです。

そして、この倍音成分の違いがすなわち、音色の違いとなって現れるのです。

どんな音も、基音と倍音の組み合わせでできています。

そして、基音がその音の音程を決め、倍音成分のバランスがその音の音色を決めるのです。

ここまで、非常に重要な内容なので、よく理解し、覚えてしまってくださいね。